「江蘇省女性権益保障條例」
全國人民代表大會常務委員會は、2022年10月30日に「中華人民共和國女性権益保障法』を全面的に改正した。改正された上位法との整合性を図るため、江蘇省人民代表大會常務委員會は2025年7月30日に改正された「江蘇省女性権益保障條例」を公布し、セクハラ、人身?人格的権益等に対する保護を詳細化した。本條例は全65條からなり、主な改正內容は以下の通りである。
一、差別禁止範囲の拡大
従來の性別を理由とした女性の採用拒否禁止に加え、新條例では「婚姻?出産狀況」を保護対象に追加し、これを理由とした採用拒否又は採用基準の引き上げを禁止している。また、法律として初めて「女性の就業を制限する內容」を含む求人広告の掲載を明確に禁止している(第33條)。
同時に、労働契約に「女性労働者の婚姻?出産を制限する」といった內容を含めることを禁止している(第34條)。
二、セクハラ防止の詳細化
セクハラ防止に関して、新條例には、規程の制定、責任機関?擔當者の明確化、苦情受付窓口の設置及び調査処理手続きの確立などを含む企業が履行すべき義務を列挙方式で詳細に規定している。また、新條例には、女性労働者が苦情を申し立てたことを理由として、減給、降格、解雇などの報復的行為を行うことを特に禁止している(第22條)。
三、特別権益の保護
新條例には、婦人科?乳腺疾患検査の要件を「実施」から「定期実施」に変更し、妊娠期保護に生殖補助醫療技術治療を受けたり、習慣性流産歴がある等を特別に保護したりすることを対象に追加し、休暇を認めるよう企業に要求している。また、新條例には、企業が職務內容を変更したり、労働強度を増加したり等の方法で妊娠中の女性労働者に間接的に退職を強いられることを明確に禁止している(第36條以下)。






