『危害稅収徴収管理刑事事件の処理における法律適用の若干問題に関する解釈』
概 要
中國刑法では、稅に関連する犯罪について、脫稅罪、増値稅専用発票の虛偽発行罪、インボイス虛偽発行罪等、計14個規(guī)定されている。稅に関連する犯罪の犯行手段が増加し、一部の犯罪に対する構(gòu)成要件及び量刑基準(zhǔn)が20年以上前に定められている刑法規(guī)定に止まっていることを踏まえ、2024年3月18日、最高人民法院及び最高人民検察院は、『危害稅収徴収管理刑事事件の処理における法律適用の若干問題に関する解釈』(以下、「解釈」という)を公布し、稅に関連する犯罪の法律適用問題について明確化した。解釈は、2024年3月20日により施行される。
解釈は、刑法各則第三章第六節(jié)の徴稅管理に危害を及ぼす犯罪の項目下の14個犯罪の構(gòu)成要件及び量刑基準(zhǔn)について定めている。一部の犯罪の構(gòu)成要件及び量刑基準(zhǔn)が調(diào)整された(例えば脫稅罪の構(gòu)成要件および量刑における金額の引き上げ)。また、解釈は、偽造、違法売買、虛偽発行などインボイスに関連する犯罪の構(gòu)成要件及び量刑基準(zhǔn)を明確にしている。解釈は、関連する犯罪の理解を明らかにし、増値稅専用発票の虛偽発行罪の構(gòu)成要件について限定している。インボイスを稅額控除に使用する目的で虛偽に発行する行為のみが犯罪行為に該當(dāng)し、業(yè)績詐稱、融資、借金などの目的での虛偽発行が犯罪の範(fàn)囲から除外される。
実務(wù)上、虛偽の課稅ベースを捏造することによる脫稅事件が頻発している。とりわけエンターテインメント等領(lǐng)域では、「陰陽契約」を締結(jié)して所得や財産を隠匿したり、他人の名義で所得や財産を分散させたりする形等での脫稅が近年何件も発生している。このような脫稅行為について、解釈は初めて「陰陽契約」の締結(jié)を脫稅方法の一つとして定め、また、源泉徴収義務(wù)者の法的責(zé)任を強化した。
解釈第6條では、様々な脫稅行為が列挙され、刑事犯罪とされている。これらの行為には、正當(dāng)な債権の放棄、無償での財産の譲渡、明らかに不當(dāng)な価格での取引、財産の隠匿、納稅義務(wù)の不履行、稅務(wù)當(dāng)局の監(jiān)督からの離脫、その他の手段による財産の譲渡や隠匿が含まれる。企業(yè)にとって、納稅請求の実現(xiàn)に影響を及ぼす稅金の未納?滯納があった場合、減資、出資金の譲渡、財産の不適切な処分の犯罪リスクが著しく高まっている。






